工場の自動化に貢献する、精密位置決めスイッチの専門メーカー

精密位置決めスイッチはメトロール

2015年08月06日

【エンジニアの挑戦】PTタッチスイッチ〜M5×17mm 世界最小の高精度スイッチを創る〜

センサ開発物語

モノづくりを支える、ちいさな巨人。

M5×17mm 世界最小サイズ。
〔超小形高精度PTタッチスイッチ〕は、工場の自動化に欠かせない「精密位置決め」で、
世界のモノづくりを陰から支える、まさに「ちいさな巨人」です。

開発の原点は、エンジニアの困った

PTタッチスイッチの開発は、2006年までさかのぼります。

「他社の小形スイッチを使っているが、壊れやすくて困っている。タフで小さな高精度スイッチが欲しい!」
という、大手半導体製造装置メーカー様からの開発要請がキッカケでした。

ユーザーが求めた目標性能は以下の3点。
・直径M5×全長18mm以下の外形 
・100万回以上の耐久性 
・1/1000mmの繰返し精度

当時、細形の高精度スイッチはすでに存在していましたが、
ユーザーの要望する、サイズと耐久性をかなえることができませんでした。

そこで、機械加工エンジニアと設計エンジニアがタックを組み、最低でも100万回の実用耐久回数をかなえる、
超小形×高精度のスイッチ開発に、挑戦することになったのです。

「小ささ故に部品の成形ができない!」

お客様の要望を元に試作図面を書き、ベテランの機械加工エンジニアが一点一点部品を削り出しました。

ところが、いざ組立に着手してみると、思わぬ落とし穴が…。
製品の要となる接点部品を、寸法通りに折り曲げることができないのです。

部品の小ささ故、僅かな力でも歪んでしまう。
試行錯誤を続けたものの、折り曲げによる歪みを、防ぐことができません。

逆転の発想

「部品が歪んでしまうのなら、曲げない部品で創れないか?」
試作を重ね思いついたのが、2箇所だった複雑な曲げを1箇所にするシンプルな構造。

曲げにより生じる負荷を少なくすることで、部品の歪みがなくなり、
直径M5×全長17mmのサイズで、製品の組立てが可能になりました。

組上がったスイッチで耐久試験を行うと、
お客様の要望である100万回を大きく上回る、300万回の耐久性を達成。

残すところは、1μmの繰返し精度の実現のみ。
しかし、士気があがるエンジニアの前に、次なる課題が立ちはだかります。

1μm繰返し精度の壁

外形サイズと耐久性はクリアしたものの、試作品の繰返し精度は10μm。
要望精度の1μmに届かない…。

すぐさま機械加工エンジニアが、ミクロンオーダで形状を変えた試作部品を、次々と削りあげました。

信じるものは、自分の感覚。

長年機械加工に携わり、図面がなくても最終寸法に収まるよう、
組立てることまで考えて、極小部品を削る技術を身につけていました。

部品切削の試行錯誤を重ねるごとに、繰返し精度はあがっていきましたが、一円玉より小さな超小形ゆえ、
部品のわずかな加工バラツキにより、繰返し精度が左右されてしまいます。

その精度を安定させるため辿り着いたのは、接点ピンの形状改良でした。

これにより、遂に1μmの繰返し精度を実現します!

微細なハンダ付け、わずかな手の狂いでバチッ!とショート…量産化への課題

完成が近づく一方で、量産化を視野に入れると、生産技術の課題が浮き彫りに。

PTタッチスイッチの精密組立は、高度な生産技術を要します。
特に、極細コードと接点とを繋げるハンダ付けは、最も高度で重要な技術。

経験を積んだ作業者しかハンダ付けできません…。
そこで、資格のない人でも簡単にハンダ付けできるよう、ハンダロボットの導入に踏み切ります。

特殊なセット治具を自社開発し、極細コードを固定することで、緻密なハンダ工程の自動化を実現。
誰でもボタンひとつで、微細なハンダ付けが可能になりました。

小さすぎて、メルトの注入ができない!

製品内部に注入する、接着剤の硬化に24時間がかかることも、生産性の大きな課題でした。
接着剤は、内部構造を保護するのに必要不可欠。

そこで、接着剤の代わりに目をつけたのが、常温で固まる性質をもつ、ホットメルトです。

早速、充填機メーカーに専用機を依頼したものの、M5極細サイズの外形に、タジタジ。
「注入箇所が細すぎて、均一な注入は不可能」と、突き返されてしまいます。

しかし、一度、火がついたエンジニア魂。
「出来ないなら、自分で機械を改造するしかない!」
エンジニア自らメルトの充填金型の製作に乗り出しました。

勘を頼りに、ミクロン単位の調整を加え、
M5の細形の内部へ、ゆるやかに圧力がかかる、メルト用充填金型を作製。

これにより、均一なメルトの注入が可能になりました。
今まで24時間を費やしていた、接着剤の硬化時間の大幅短縮を実現したのです。

小さな体に、技術が凝縮

こうして、高い加工技術と緻密な組み立て技術により、〔超小形高精度PTタッチスイッチ〕が誕生しました。

・M5×17mmの外形
・300万回の耐久性
・1/1000mmの繰返し精度
 を実現しています。

世界最小クラスで、スペースの限られた場所に取り付け可能。
精密機械部品だけで組み立てられているので、
外部環境や自己発熱による温度ドリフトはありません。

その信頼性の高さは、折り紙つき!

最新の半導体製造装置・脳神経外科用顕微鏡・CNC小形旋盤などの機械に多数採用、
世界中のエンジニアに愛用されています。

一円玉より小さな精密位置決めスイッチ。
そこには、製品のみならず生産設備まで創ってしまう、エンジニアの魂と技術の粋が詰まっています。

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