メトロールの高精度スイッチの《原点》にあるもの
今では100種類以上のスイッチのラインナップを誇り、世界64ヵ国1200企業と取引のあるメトロールですが、「高精度スイッチ」の開発の歴史を振り返るうえで、どうしても語らずにはおけない物語があります。
『その製品』が作られたのは、1977年(昭和52年)。
メトロールの創業が1976年(昭和51年)ですから、
創業わずか一年目の出来事ということになりますか。
メトロールがもしこの製品をつくることにならなければ、今では世界中で使われているメトロールの「高精度スイッチ」も、誕生することはなかったのかもしれません…。
『その製品』こそが、メトロールが「機械屋」の意地と情熱をかけてこの世に生み出した信号付ダイヤルゲージ『MT-パルサー』です。
それは、悪環境に強く耐久性に優れた画期的な「信号付ダイヤルゲージ」でしたが、じつはこの製品、誰もがよく知っている "ある大手企業" との共同開発で生まれたものなんです。
その "大手企業" とは?
それは製品の名称『MT-パルサー』から紐解くことができます。
《M》は、メトロールのM 。
《T》は…そう、トヨタ自動車のTなのです!

▲信号付ダイヤルゲージ『MT-パルサー』
厳しすぎるトヨタの要求
当時トヨタ自動車は、信頼性の高いモノづくりを追求すべく、生産ラインの改善に真っ向から取り組んでいました。
同社の生産技術部長であった松原秀之氏は、病気を事前に発見する「予防医学」の見地から、生産ラインの精度を高められないかと考え、機械を制御する「センサ(スイッチ)」の存在に着目していたのです。
そして、メトロールに共同開発の依頼を持ちかけました。
「どうしても、信頼性の高い信号付ダイヤルゲージが必要なんだ!」

▲松原 秀之氏
株式会社東海理化電機製作所常務取締役
理化精機株式会社社長
現在は、コンサルタントとしてご活躍中です。
当時生産現場で使われていた「信号付ダイヤルゲージ」は、防水性が悪く、フェールセーフの信号を出せないなど工場の環境に適応できず、度重なるチョコ停や不良品の原因になっていました。
機械の故障を直す手間と同時に、「信号付ダイヤルゲージ」の誤作動に伴うトラブルに現場は悩まされていたのです。
お世辞にも環境が良いとはいえない工場の中でも故障がなく、なおかつ、きわめて正確な計測器が欲しい…。
メトロールに突きつけられたトヨタ側の要求は、100万回の動作に対し1ミクロン以内の繰返し精度を出すこと。
当時の基準としては、とてつもなく「厳しすぎる」要求でした。
「技術屋として、職人としての腕の見せどころだ!」
当時社長であった松橋は意を決して、製品開発に取り組みました。
どこにもない、唯一無二の信号付ダイヤルゲージを目指して。
そして、この信号付ダイヤルゲージ『MT-パルサー』の中に内蔵した小さなスイッチこそが、後のメトロールスイッチの《原点》となっていくのです……。
《つづく》
◎次回は、スイッチ第一号誕生の核心に迫ります。
驚くべきことに、この『MT-パルサー』は、30年以上たった今でも、現役で稼働しているものもあるようです。
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