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精密位置決めスイッチはメトロール

2020年03月20日

高真空度環境下で、低アウトガスかつ、省スペースで位置決めを行う方法とは?

センサのテクニカルガイド

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《本記事の内容》
真空環境や半導体製造プロセスに係るエンジニア向けに、当社の真空対応スイッチの導入事例、選定方法をご理解頂く内容となります。
宜しければ最後までご覧ください。

『位置決め』は、ソフトとハードが複雑に絡みあう機械設備、ロボットなどの用途で重要なテーマの1つです。

高精度な位置決めが求められる場合や、目的に応じて位置決め方法は様々です。 特に『真空環境』のような特殊な環境では、位置決めに限らず設計に悩むエンジニアの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、高真空環境での位置決めに特化して開発した『真空対応位置決めスイッチGNシリーズ』の
採用される理由や選定方法、導入事例などをまとめましたので、ぜひご覧ください。

目次

真空環境における課題とは?


アウトガスによって引き起こされる様々な問題


『アウトガス対策』は真空環境下で構築される製造プロセスにおいて、重要課題の1つです。
真空環境では治具や部品、接着剤、コードなど様々な部材からアウトガスが発生します。
部材由来のアウトガスは真空チャンバーの内壁やワークなどに付着することで、
・不良品の発生による歩留まり低下
・品質問題
・検査コストアップ
などの問題を引き起こします。 
したがって真空環境下では『低アウトガス』の治具や部品、素材の選定、採用する必要があります。

限られた小スペース内での設計・・・


半導体製造装置や真空チャンバー機内は非常に狭い空間で構成されています。
アウトガスに配慮しながらも、狭いスペースを活用して極力無駄のない治具や位置決め等の設計を行う必要があります。

したがって、真空環境下の製造における1つの大きな課題は
課題『スペースの限られた真空環境下でアウトガス発生させずにどう設備設計をするか?』
ではないでしょうか。

『高真空度対応スイッチ』の特徴とは?


『高真空対応の位置決めスイッチGNシリーズ』の3つの特徴をご紹介

本製品は、治具やワークなどに接触することでON/OFF信号を出力する、『タッチスイッチ』です。
主に【位置決め・原点出し】用途でさまざまな設備やロボットで採用頂いています。

真空中でも使用可能なGNシリーズの特徴を3つご紹介いたします。
特徴1:「低アウトガス」の材質をスイッチ本体に採用している。
特徴2:超小型で、省スペース化が可能。
特徴3:コンタミ対策としてクリーンルームでの組み立てを行っている。
※下のボタンから製品カタログをDL頂けます。


▲高真空度対応位置決めスイッチGNシリーズ

特徴1:「低アウトガス」の材質をスイッチ本体に採用している

高真空対応スイッチGNシリーズ は、コンタミネーションの原因の1つである、『アウトガス』の発生を極力抑えた素材を採用しており、 高真空度クラス10-5Paの環境でもアウトガスをほとんど排出しません。

スイッチ本体に使用されている材質をご紹介します。

《本体材質》
・SUS304
・SUS420
・BsBM


▲真空対応スイッチGNシリーズのスイッチ本体

《樹脂パーツ》
真空対応スイッチ内部に使用されている樹脂部品には『PEEK』を使用しています。
揮発性有機化合物や金属イオンの含有が非常に小さく低アウトガスな素材のため、真空環境下においてコンタミを気にせず使用できます。

《本体ケーブル》
『PTFE』を使用しています

《接着剤:トールシール》
低アウトガスの接着剤『トールシール』を使用しています。
外部リンク:トールシールについて

《その他構成物質について》
高真空度対応スイッチはグリスなどの潤滑剤やオイル等の使用は一切していません。


▲真空対応スイッチの接着剤(トールシール)充填部

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特徴2:超小型で、省スペース化が可能。

高真空対応スイッチGNシリーズ は超小型位置決めスイッチで、狭いスペースでも容易に取り付けができます。


▲1円玉とGN-PTシリーズとのサイズ比較


▲例:ラインナップの仕様図を一部抜粋



特徴3:高真空度クラス10-5Paの環境でもアウトガスを排出しない

スイッチ本体には低アウトガスの材質を採用しているため、高真空環境((10-1Pa~10-5Pa)下での使用が可能です。
実際に導入された高真空領域のプロセスには、真空蒸着装置、スパッタリング装置、薄膜加工装置などが挙げられます。

※通常環境~高真空度環境:HV:high vacuum(10-1Pa~10-5Pa)

高真空対応スイッチGNシリーズの使用可能な圧力範囲



特徴4:コンタミ対策としてクリーン環境での組み立て

コンタミ対策として以下の環境下で、真空環境対応スイッチの組み立てを行っています。
・組立部品を洗浄後使用
・クリーンルームでの組立作業
・組立の際はラテックス手袋(パウダーフリー)を使用

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『高真空度対応スイッチ』の種類と選び方


以下4項目の仕様からスイッチをお選びいただけます。
・コンタクト形状
・ケーブル方向
・ケーブルの長さ
・動作形態:A接点(NO) B接点(NC)
・径・ストローク長



▼選択可能な5つの仕様

仕様1:コンタクト形状

スイッチは、コンタクト部に対象物を接触させて信号を出力します。
対象物を接触させる角度によってコンタクト形状を選択いただく必要があります。
コンタクト形状は以下の2タイプ

⓵直進当て用コンタクト
⓶偏角当て用コンタクト


⓵正面からスイッチに接触させる場合:『直進当てタイプ』(PTシリーズ)
※注意事項
直進当て用コンタクトは、斜め方向からコンタクトに接触すると接点や内部を損傷する可能性があります。
必ず直進方向からコンタクトに接触するように組み込んでください。


⓶角度をつけて接触させる場合:『偏角当てタイプ』(ボールコンタクトBPシリーズ)
以下の場合、ボールコンタクトの偏角当て用スイッチ(BPシリーズ)を選定下さい。
・接触部がR形状のワーク
・大型の液晶パネルや基板のようにたわんでしまうようなワーク

▲ボールコンタクトM5タイプ


ボールコンタクトタイプの真空対応スイッチは径・ストローク長の異なる2タイプ
※『ストロークとは?』はこちら
・M5タイプ ・ストローク:0.8mm
・M16タイプ・ストローク:2.9mm

▲ボールコンタクトの真空対応スイッチ2種(M5タイプとM16タイプ)


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仕様2:ケーブル方向

スイッチのケーブル方向は以下の2タイプから選択可能です
⓵ストレート
⓶直角出し方向

スペースの限られた真空装置やチャンバー内でケーブルの取り回しに応じてお選び下さい。



仕様3:ケーブルの長さ

高真空対応スイッチ標準ケーブル長は0.5メートルです。
オプションで以下の3種類から長さを選択可能です。
《ケーブル長のオプション》
・1メートル
・3メートル
・5メートル



仕様4:動作形態

動作形態はA接点とB接点の2タイプ。
それぞれの選び方については『動作形態について』をご覧ください。

A接点とB接点では信号動作点が異なります。※『信号動作点とは?』についてはこちら
・A接点(NO):コンタクトが接触面に触れて、0.2~0.3mm押し込まれると信号が出力されます
・B接点(NC):プリトラベル(信号が切り替わるまでの距離)が0。対象物に触れると信号が出力されます。



まとめ:真空対応スイッチのラインナップ

・コンタクト形状
・ケーブル方向
・ケーブルの長さ
・動作形態:A接点(NO) B接点(NC)
・径
上記仕様を一覧にまとめました。

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高真空対応スイッチGNシリーズの仕様一覧表》

※1:全長=コンタクト先端から本体末端まで(コードの長さは含まない)
※2:単位:mm
※3:『信号動作点とは?』についてはこちら
※4:『ストロークとは?』はこちら



『高真空度対応スイッチ』のよくある質問&留意事項


耐熱温度(上限・下限)について

真空対応スイッチの耐熱温度は上限が120℃・下限は0℃です。
アウトガス放出のためのベーキングする際は、120℃以下で約2時間までであれば、問題なく使用可能です。

操作速度・チャタリングについて

操作速度10mm/min以下での低スピード使用はチャタリングが発生するリスクがあるため避けてください。

接点寿命

オン⇔オフの繰り返しを300万回使用可能です。

取付時のナット・ネジの締付トルクについて

スイッチ固定時のナット・ネジの締付トルクは1N/mです。


『高真空対応スイッチ』の導入実績とアプリケーション


高真空対応スイッチの導入実績を業界、用途、ワーク別にご紹介いたします。

《導入実績のある業界》

・半導体
・液晶パネル
・有機EL 
・航空宇宙

《導入実績のある事例・用途》

真空環境内での以下のような位置決めがメインになります。
・ワーク原点出し
・ワーク着座
・治具の位置決め

《検出ワーク》

・基板、ガラス、金属、プラスチック

《実際の導入事例》

・真空チャンバー内でのステージ位置決め
・真空蒸着装置内でのワークの位置決め
・スパッタリング装置
・薄膜成膜装置内での位置決め
・半導体ウェハーの位置決め
・真空対応位置決めステージ 
・基板ホルダー向けマスク着座確認

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真空対応スイッチの改善事例


採用事例1:半導体のXYテーブルの位置決め


課題のポイント

  • XY軸が自己発熱により、ミクロンレベルでズレる
  • フォトマイクロでは、精度の高い原点出しができない

改善後

  • 接触式タッチスイッチでテーブルの精密位置検出を実現



採用事例2:ガラス基板の着座確認

課題のポイント

  • 特殊真空用コネクタが約20万円~と高価
  • ビューポートの設置が必要
※代替品として、他社製の『透過型真空ファイバーセンサ』や『変位センサ』があります。
真空対応スイッチは通常品で定価3~5万円台に対して
ファイバーセンサの価格帯は1台当たりアンプ付きで20~50万円以上と高価格です。

改善後

  • 高価な特殊真空用コネクタが不要になった
  • ビューポートが不要になりコストダウン



採用事例3:キャリアの原点出し

課題のポイント

  • スライドさせるキャリアの原点出しを、下面と側面の2か所で行いたい

改善後

  • ボールコンタクトタイプのタッチスイッチを治具に埋め込むことで着座下面の位置決めが設計できた。
  • 側面の原点出しは直進当てタイプのスイッチで高精度に原点出しが設計できた。



以上、真空環境で利用いただける『真空対応位置決めスイッチGNシリーズ』のご紹介でした。


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用途、使用環境、検出ワークなどの情報が明確にいただけると、より具体的なご提案ができるかと思います。
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《製品ページ》
高真空対応スイッチGNシリーズの製品ページはこちら
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